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ベストチョイスシンドローム

あらゆることに対して最適化を目指す最良選択症候群

「大空のサムライ」を読みました。

大空のサムライ」を読んだ。「永遠の0」を読んだ小4と小6の息子達が坂井氏の話を読みたいと言うので買った。息子達が読み終わってから私が読む番になった。

内容は、太平洋戦争で零戦パイロットとして活躍した坂井三郎氏の自伝である。坂井氏は海軍の名パイロットとして名を馳せた人物で、戦時を生き残り昭和40年にこの「大空のサムライ」を出版し、海外でも売れたという知る人ぞ知るという名作である。

幼少時から終戦までの体験を太平洋戦争の空戦を中心に描かれている。中国における圧勝の空戦から、ガダルカナルで米軍機の誤認から爆撃機の銃撃を受け瀕死の重傷を負いながら生還するまでの華々しい空戦における戦果のほか、次第に米軍に制空権を奪われ自陣の飛行場を一方的に爆撃される様子までも記されている。

一兵士が感じる戦争というものがリアルに描かれている。そこには戦争に対する感傷の余地はなく、敵機撃墜に闘志を燃やす海軍パイロットの姿がある。しかし、それらの激戦の中でも時折一パイロットとして感じる戦争により人命を奪うことの不条理さが記されている。

この本を読むと坂井氏は天才的なパイロットではあったが、それは地道な努力と幾つもの経験を重ねて培っていった技術であることか分かる。ただ視力だけは2.5と言われる驚異的な視力でいち早く敵機を認識し、敵に先んずる能力は抜きん出ていたのは確かなようだ。決してアクロバット的な空戦で勝ち残った訳ではなく、用意周到に有利な態勢で先攻していたことが勝因のようである。視力を維持するために日頃から遠くの文字を読む鍛錬もしていたようである。

大空のサムライ」を読むと「永遠の0」もよく理解できる。パイロットでありながら自らこれだけの長編の小説をその記憶力で書き上げた坂井氏は、猛勉強して海軍の操縦訓練生に合格しただけあって、相当頭が良い人なのだろうと感心した。


大空のサムライ―かえらざる零戦隊 (光人社NF文庫)

大空のサムライ―かえらざる零戦隊 (光人社NF文庫)