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ベストチョイスシンドローム

あらゆることに対して最適化を目指す最良選択症候群

「JFK 未完の人生」を読みました。( ジョン.F.ケネディ 勝手にベストテン)

最近、NHKのBSでケネディ大統領に関するテレビ番組を幾つか観た。1963年11月22日のダラスでの暗殺から50年ということでNHKで特集を組んだようだ。また、50年に合わせるようにケネディ大統領の長女キャロライン・ケネディが駐日大使に就任するなど日本でも注目されている。それでケネディ大統領に関する本でも読んでみようと思った。種々の本が出版されているので、どれがいいか迷った。

暗殺に関する本であれば、最近出版された「ケネディ暗殺 ウォーレン委員会50年目の証 言 上・下」が詳しそうだし、「ケネディを殺した副大統領—その血と金と権力」もそれなりの説得力がありそうだ。また、女性スキャンダルに関しては「私はジョン・Fの愛の奴隷だった」という少々刺激的なタイトルも目に付いた。今回は取り敢えず、ケネディ大統領の半生が分かるような本が良いと思い「ケネディ 神話と実像」が入門書としては良いかと思ったが、より分厚い「JFK 未完の人生」を図書館で借りて読むことにした。

近代の歴史における政治家で興味を持つ人物として誰を挙げるかと問われれば、ケネディヒトラーだと思う。真逆の二人だが聴衆を魅了し歴史を動かした人物である。また、華やかな活躍の裏に影を感じる所が興味を持たれる。その影は、ケネディ大統領であればケネディ家の呪いや女性スキャンダルであり、ヒトラーであれば画家として過ごした不遇の若年時代である。近代史の政治家は他にもいるが、とりわけ本を読もうと思うスゴい人物は他は思い付かない。

JFK 未完の人生」は、J.F.ケネディの父の生い立ちから、J.F.ケネディの誕生、父母兄弟姉妹、学校、軍隊、下院議員、上院議員、大統領そして暗殺までを追った展開で、J.F.ケネディの半生が良く理解できる。スラスラ読めたと言いたい所だが、700ページもある上にアメリカの地名や人名が沢山出てきて少々突っかかるところがあり、読み終わるのまでにやや時間がかかった。2週間の図書館の返却期限にギリギリ間に合わせて読み終えた。

読み終えて、いろいろと思うことがあるので、このブログの様式に則って勝手にベストテン方式でJ.F.ケネディについて記したいと思います。(やや不謹慎なタイトルと思われる方はご容赦願います。)順番は個人的な感想です。

1.暗殺
やはり50年前1963年11月22日のダラスでのショッキングな暗殺事件。教科書ビルからリー・ハーヴェイ・オズワルトが暗殺したという顛末だが諸説紛々である。暗殺によりケネディ大統領が人々の伝説になってしまった。魔法の弾丸というのがある。暗殺時の一つの銃弾がケネディ大統領とコナリー知事に7カ所の傷を負わせたという説明である。先日、NHKテレビのドキュメンタリー番組で人体近い物質で実験していたがあり得るとの結論のようだった。後に弟のロバート・ケネディも暗殺された。

2.キューバ危機
映画「13DAYS」は映画館で観た。なかなか良い映画だったと記憶している。ケネディ役も違和感は少なかった。衛星写真に写ったミサイルの画像から世界が核戦争の危機に巻き込まれる。結果的にはフルシチョフの決断によるミサイル撤収で事なきを得たが、ケネディ大統領の共産主義に屈しないという姿勢を示しつつも、米国内の強硬派の軍部を抑え、軍事衝突回避を模索し解決に導いた手腕が評価されている。一方で、ケネディ大統領が認めてしまったピッグス湾侵攻がキューバ危機を誘発したのではないかという指摘がある。ケネディ大統領もピッグス湾侵攻を認めたことを大いに悔やんでいる様子が描かれている。就任中に次から次へと難題が持ち上がり、ケネディ大統領自身がまるで危機管理対策責任者のようだと言ったそうだ。「JFK 未完の人生」の中で大統領の政策を批判する人に対する言葉として「大統領執務室で重責を担い困難な判断を経験していない者が、アメリカ大統領を評価することはできない。」という記載があり印象的であった。

3.演説
就任演説の「 国家があなた達のために何が出来る かを問うのではなく、あなたが国家のために何が出 来るかを問うて欲しい。」は有名。ドイツの西ベルリンでベルリンの壁を見て演説した「私はベルリン市民である。」も有名らしい。この時、当時の西ドイツのアデナウナー首相は、ケネディ大統領の熱弁と観衆の熱狂振りにドイツはヒトラーの再来を許すのかと言ったらしい。

4.兄弟姉妹
J.F.ケネディが長男なのか次男なのか初めは知らなかった。J.F.ケネディケネディ家の次男で、ジョー・ケネディ・ジュニアという長男がいた。長男は、常にJ.F.ケネディより優れており万能でケネディ家の期待の星であったが、第二次世界大戦中にヨーロッパで従軍中に航空機爆発により戦死した。ケネディ大統領の頃の司法長官ロバート・ケネディは三男でJ.F.ケネディの弟。長女ローズマリーケネディはJ.F.ケネディの妹。後に施設で過ごすことになる。

5.女性関係
JFK 未完の人生」で健康状態に次ぎ記載が目立つ事として女性関係がある。いわゆる不倫関係もあったようだが、現代ならクリントン大統領のように問題になったかもしれないが、当時はタブロイド紙では記事になったがマスコミは大騒ぎにはならなかったようだ。見方によっては、これもカッコイい大統領の華の一つとも感じる。ただマリリン・モンローとの噂はフーバー長官も気にしていたようである。

6.アジソン病など
JFK 未完の人生」の中で特に記載が目立つ事として、ケネディ大統領が如何に多くの病気を抱えていたかということである。アジソン病という副腎皮質の病気のほか、ステロイド系の投薬の副作用を含めた腰痛、大腸、前立腺などの病気があり、多くの薬を服用していたとのことである。大統領就任時はこれらは秘匿されていたが、あの健康的な若々しい大統領がこれほど病んでいたというのは知らなかった。

6.リンドン・ジョンソン副大統領
ケネディ大統領時の副大統領。ケネディ大統領暗殺後に大統領就任を宣言したが、後にベトナム戦争を泥沼化したということでやや悪い印象がある。因みにこの本によると、共産主義の台頭によるドミノ理論によりベトナム駐留の米軍に軍事行動に許可したのはケネディ大統領とのことである。NHKで放送されたドキュメンタリー番組を見ると、議会対策に長けており、ケネディ大統領の意思を継ぎ、公民権法などの困難な多くの法案を成立させ一時は国民の支持率も非常に高かったそうである。下院議員時代、上院議員時代を通じて南部出身議員としてケネディ大統領と融和と対立を繰り返しており、ケネディ大統領との関わりは良くも悪くも大きい。

7.ジャクリーン・ケネディ
ケネディ大統領の死後、海運王オナシスと再婚。シャネルなどのブランド物の浪費癖があっとというが、ケネディ大統領の女性関係を考えると一概に非難できないのではないかと思う。ケネディ大統領とフランスに同行した時は熱烈な歓迎を受け、あまりの熱狂振りにケネディは、ジャクリーンの同行者のケネディ大統領と自己紹介したそうな。

8.ジョー・ケネディ(ジョセフ・P・ケネディ
ケネディ大統領の父親ハーバード大学卒業後、銀行に就職し頭取になる。造船部門に勤務後、映画会社、洋酒輸入会社、投資会社で財産を築き、イギリス大使、初代証券取引委員会委員長などを歴任する。期待の長男死亡後はJ.F.ケネディの後ろ盾となる。

9.アイルランド系・カトリック教徒
ケネディ大統領が選挙で常に付きまとうのがカトリックということらしい。やはりアメリカはプロテスタントの国なのだろう。日本人には今ひとつピンと来ないが。

10.公民権運動
ケネディ大統領は、リベラルの旗手みたいなイメージがあったが、実際は民主党の中では保守派のようであった。選挙における南部対策のため明確な姿勢を示すことができないこともあった。キング牧師とも、当初は一定の距離を保っていたようである。大統領就任中にフリーダム・ライダーのバス走行、アラバマ大学の黒人入学などの対応に追われたが、これらが、ワシントン大行進へと繋がる。

核戦争の恐怖、議会の攻防、統合参謀本部の圧力、数多の病気など多くの苦悩の中で、難局を乗り切り最大公約数の対応を米国と世界に示した。お金持ちで家柄もよく、学歴もあり大戦の英雄で、最高権力の座に付き、カッコよく女性にもモテたケネディ大統領。我々凡人にとっては、今もなお眩しく輝く存在である。


JFK 未完の人生―1917‐1963

JFK 未完の人生―1917‐1963