ベストチョイスシンドローム

あらゆることに対して最適化を目指す最良選択症候群

藤城清治氏と宮崎駿氏の共通点

2013/08/25NHK日曜美術館で放送された「影絵作家・藤城 清治89歳の“風の又三郎”」を観た。藤城氏の作品の一部は、北海道遠軽町生田原の「ちゃちゃワールド」の影絵美術館に展示されており、見に行ったことがある。その素晴らしさに感動し、お土産ショップで結構買い込んでしまった。宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」の影絵などが有名である。現在でも第一線で活躍しており、東日本大震災の災害後の風景画や、宮沢賢治の「風の又三郎」の制作に取り組むなど、89歳とは思えない創作意欲に圧倒された。

影絵の制作過程も放映されたが、小さなカッターの歯1枚でどんどん切り込んでいきカラーフィルムを張っていく。非常に面倒な作業に見えるが、短いコーヒータイムを挟みながら黙々と作業を進めていく。スタジオを構えスタッフが背景などを制作しているのだが、藤城氏の完成度の追求に妥協はない。例えば又三郎がいる教室の机の線が定規のような直線になっているのが、これは違うと言って、フリーハンドで形を切り込んでいく。仕上がりを見ると机の立体感・存在感が増して見える。あの独特の画風はいつ見ても新鮮だ。

2013/08/26同じくNHKで放映された「プロフェッショナル仕事の流儀 宮崎駿SP 風立ちぬ 1000日の記録」を観た。ネットでも反響があったようなので詳細は記さないが、これまでのファンタジーヒット作品のセオリーを離れ、宮崎氏が好きな戦闘機の映画を作りたいという一心で製作を進める過程の葛藤が伝わってきた。何度も何度も納得いくまで、絵コンテやスタッフの動画に直しを入れながら、72歳の宮崎氏が口走った言葉「世の中の大事なことはたいてい面倒くさい」は、既に名言となっている。

宮崎氏の映画については、何か日本の森羅万象をテーマにわかりやすいキャラクターとやや難解なストーリー展開を迫力あるアニメでみせるというパターンと思っており、あまり良いと思うことがなかった。映画館に観に行ったことはなく、テレビでも一部しか観たことがない。「風立ちぬ」も艦船プラモデル好きとしては関心があるが、Yahoo!映画の賛否両論を見ると行くのを躊躇ってしまう。しかし、NHKのプロフェッショナルを観て、子供と映画館に観に行こうと思った。これもNHKの長期取材を受けた宮崎氏の計算かもしれないが…。

たまたまNHKで続けて観た藤代清治氏と宮崎駿氏。昭和の時代を駆け巡り、高齢ながら未だに第一線で活躍し力量を発揮している売れっ子アーティスト。この創作を誰かが引き継いでくれるのだろうか。


1000ピース 愛の泉 (50x75cm)

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