ベストチョイスシンドローム

あらゆることに対して最適化を目指す最良選択症候群

映画「エデンの東」を観て母親の失踪が根源と思ったこと。

テレビでジェームス・ディーン初出演の映画「エデンの東」を放映していたので録画して観た。正確には途中倍速で早回しをしたところもあったので、完全に観たとは言えない。「エデンの東」は、確か中学生の頃に一人で映画館に観に行った記憶がある。ジェームス・ディーンの「理由なき反抗」と二本立てで上映していた。(今思うと二本立てって長時間で辛いと思うが…)特にジェームス・ディーンのファンだった訳でもなかったが、名作なので観ようと思ったのだろう。当時の自分が何でわざわざ一人で観に行ったのかは、当時の自分に聞いてみないと分からない。今回、この映画にそれ程関心は無かったが、テレビを録画して早廻しでも観たのは、どんなストーリーか思い出すためと、今観て何か感じるものがあるかと思ったからである。

キャル役のジェームス・ディーンは確かに独特の雰囲気を出している。ストーリーは、キャルを中心に、父親に愛されたいという欲求と反抗、弟が兄の恋人と惹かれあう兄弟の葛藤、事業の失敗と成功とカネなどをテーマに、戦争に向かう当時の時代背景の中で、アメリカの保守的な地方の街を舞台に展開していく。昔の印象では、反抗ばかりして困った息子と煩い父親がいて、息子が親孝行しようとしても父親に否定され破滅的な終焉を迎えるという感じで少々理解しがたい話という感じだった。兄が列車で軍隊に出征するシーンが衝撃的だった。

今回改めて観て、息子二人を出産して間もなく失踪した母親が、訪れて来たキャルに何故家を出たか白状するシーンを観て、この物語の本質が理解できたように思えた。他人から聞くと母親のケートは誠実な夫を裏切った金に汚い女という話だった。が、実は、夫の愛情は見せ掛けで夫の考えを押し付けられて、家に縛り付けられる不自由さから逃れるために失踪したとキャルは聞かされる。失踪後のケートは少々汚れたビジネスで金儲けをして、結局は父親を助ける事業の為にキャルに金(小切手)を渡す。

父親が「善」で母親が「悪」と思っていたが、実は逆なのではないかという動揺と、生来の母親譲りの何かがキャルを問題あるような行動に駆り立てていたのではないか。聖書を基に絶対的な善と悪の否定をスタインベックは描こうとしたのか。アメリカの保守的な人々への苛立ちを訴えたかったのか。そう考えると「エデンの東」の奥深さとジェームス・ディーンの役所と演技も分かったような気がした。有名なテーマ曲も心に残る。

私も歳をとって中学生の頃は理解できなかったものが理解できるようになったということでは、多少は成長しているのだろう。
恋人役のエイブラを務めたジュリー・ハリス さん亡くなられたとのこと。ご冥福をお祈りします。


エデンの東 [DVD]

エデンの東 [DVD]