ベストチョイスシンドローム

あらゆることに対して最適化を目指す最良選択症候群

「パーソナル化」テレビ・電話・パソコンの次はクルマ・住宅?

スマホの普及によって、より明確になりつつあると思われることがある。パソコン(スマホ)のパーソナル化である。これまでも、夫婦で別々に持っていたり、子供が大きくなって自分のノートパソコンを持つようになるなど家庭内で無線LANにより複数台のパソコンを使用している家もあったとは思う。また、1台のパソコンをIDを分けて使用している家もあるかもしれない。我が家は子供が小学生ということもあり、まだパソコンは一家に一台という状況であったが、思い付きで買った無線LANルーターにより、古いWindows XPパソコンが復活して、私用のパソコンとなったため一家に一台が崩れつつある。いずれにしても、ADSLや光に繋がったパソコンを家族みんなで使うという状況から、スマホを購入を契機に自宅のパソコン(スマホ)も一人一台となるパーソナル化が進むと思われる。

時代は変遷し、テレビは居間に1台から各部屋に1台へ、電話も一家に1台から携帯電話へ、パソコンも一家に1台の有線ネット接続による共有デスクトップからスマホ(+ネットブック)へと世の中は、是非は別として、確実にパーソナル化が進展している。次のパーソナル化は、まずはクルマかもしれない。東京モーターショーの様子をテレビや雑誌でみると(残念ながらビッグサイトには行くことができません。)、EVによる1人乗りの小型車でスマホの情報を活用して運転するような都市型コミューターのコンセプトカーの出展が目立ったようだ。そして、クルマの次にパーソナル化の波が来るのが住宅だと思っている。

住宅のパーソナル化とは、どのようなイメージだろう?私のイメージは、ビジネスホテルの客室を4つドッキングしたような住宅だ。現在の住宅の売り文句は「家族団欒」、「子供と顔を合わせて」など家族を強調した広々リビング、快適キッチン、大きな風呂などを備えた住宅が多い。しかし、テレビ、電話、パソコンなど周辺機器のパーソナル化は、必然的にその器となる住宅にも影響し、潜在的には逆の個室重視の住宅の方がニーズがあるのではないかと思う。つまり「家族が集う共有スペース」から「個性とプライベートを重視した個人スペース」(悪く言うと「家族分断・引き籠り型住宅」)である。

パーソナル化のポイントは、工事は面倒になるが水回りだと思われる。小さな壁面設置型の洗面所を各部屋に配置するだけで手洗い、歯磨き、髭剃り、化粧など多くの作業が部屋でできるようになる。次はトイレとシャワーの各部屋への配置で、ここまでくるとかなりビジネスホテルのイメージに近くなると思われる。次に問題になるのが食事である。食事のパーソナル化と住宅のパーソナル化は関連が大きい。一家の食事は妻が作り、家族みんなでダイニングで朝食、夕食をとるという光景は既に崩壊しつつあるようだ。以前、何かの調査で読んだが、家庭の夕食は、子供は塾へ行く前に取り、妻はその後に取る。父は遅くに帰宅してから取るなど家族団欒の食事は少なくなっているようだ。昨今、個食化が進み、食事も一人前で温めてすぐ食すことができる商品が増えている。まずは朝食から各部屋で家族一人一人が簡単な食事を取るようになるかもしれない。夕食も同様である。例えばマイクロキッチンなるコンセプトのパーソナル対応小型キッチンも出てきて(既にあるかもしれない)、各部屋に設置されるようになるかもしれない。

住宅くらいは家族団欒を重視しようという意識があるので、これらの話は世間一般ではあまり好まれない話だろう。しかし、無理に団欒を持ち込むよりプライベートスペースと割り切った住宅で生活する方が、もしかしたら家庭内のゴタゴタも軽減されるかもしれない。家族の在り方の問題である。パーソナル化を前提にした住宅を作ると逆に共有スペースをどうするかがより重要になってくると思われる。つまり、普段は個室で生活するが、時間があるときは(カフェのように)ダイニングに集うような生活スタイルが考えられる。ただし、あまりパーソナル化が進んで玄関まで別になると、これは単なるアパートの個室となる。そうなるとパーソナル化住宅というより、1棟ワンルーム4戸のアパートを建てようということになる。そこまでいくかどうかはわからないが、 パーソナル化が進んだ社会の住宅はどうなっていくのだろうか?



[rakuten:askashop:10037324:detail]