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「巨人の星」再放送

ローカルTV局で平日夕方にアニメ「巨人の星」の再放送が始まりました。あの昭和を代表する有名なスポ根アニメです。幼いころに父親とリアルタイムで観ていた記憶があります。高校時代にも再放送があり、観ていた記憶もありますが、それ以来、30余年振りという感じです。もちろん、ライブでは観ることができないので、毎日予約録画をして観ています。はじめは、あまり観る暇もないだろうと思い、観ない日もあったが、最近は欠かさず見ています。なぜなら、意外と展開が早く一話完結で、内容も類い希にみる天才野球少年飛雄馬を巡り、野球以外にも当時の社会背景を反映したいろいろヒューマンストーリーがあるからです。

 例えば、第9話「真実へのピッチング」は、凡そ巨人の星とは思えない小さな事件を題材にしているが、秀逸です。クラスで先生への記念品贈答のために生徒一人ずつ百円を集めることになりましたが、飛雄馬はある事情でクラスで一人だけ百円を払えませんでした。ところが、クラスで記念品を買う段になって百円が足りないことがわかり、飛雄馬が盗んだと疑われます。最終的には飛雄馬が盗んでいないことが判り目出度しとなる話です。

この話で飛雄馬が、クラスの生徒から百円を盗んだと疑われていることを知った一徹は、飛雄馬をキャッチボールに誘い、ミットを1ミリたりとも動かさないからミットを目がけて球を投げろと飛雄馬に指示します。飛雄馬は、いつものコントロールでミットに正確に投げ込みます。それをみた一徹は、心に動揺があれば必ずコントロールに影響するはず。正確なコントロールの飛雄馬は嘘をついていないと確信します。

その時の一徹の対応が素晴らしい。飛雄馬と学校に乗り込み、さぞ怒鳴り込むかと思いきや、父兄会(現代では保護者会)を開催するよう断固とした態度で主張します。学校が渋々父兄会を開催すると、参加者は飛雄馬を疑い一徹を説き伏せようとします。しかし、一徹は、例え百円が見つからなくても飛雄馬は盗みをしていないと信じると言い切るのです。結局、百円は意外なところから見つかります。

一徹というと、息子に野球を強要して、自分は大酒をくらい卓袱台をひっくり返す、粗野な男というイメージだが、息子を信じる姿は、世間体を気にして子供でも誰でも責任転嫁しようとする昨今の親と比較しても、素晴らしい父親だ。

このほかにも、第7話の「虚栄のボール」では、嘗て将来野球選手として有望な学生であったが、父の事業を継ぐことになり、野球を諦め富豪になっている男が、出てきます。たまたま星飛雄馬の才能を知り、自分の養子となり、プロ野球選手になるように説得しようとします。その富豪ぶりたるや、高級セダンとスポーツカーを乗り回し、海では飛雄馬を乗せて自家用豪華クルーザーを繰り出し、広大な敷地の屋敷に住んでいる設定で、飛雄馬を半ば誘拐のように連れてきて、この豪華な生活ができることをエサに強引に家に迎え入れようとします。飛雄馬も少し心が動いてしまいますが、一徹のことを思い断る話です。

巨人の星」と言えば、貧しい長屋暮らしであるが、飛雄馬の能力を見込んで、いろいろな人が経済的な支援を申し込みます。ライバルの花形満の親の会社は、高校の授業料を負担すると申し出があり、ハワイの実業家からも一緒にやろうと誘われる。巨人軍の川上監督からは、一徹に巨人軍のコーチになるよう依頼します。しかし、一徹は、これらの話を全て断ってしまいます。一徹のポリシーですが、明子は、明子は残念に思います。

今観ていると、コレって野球界のハリー・ポッターだ。卓越した投球力が、魔法界のヒーローならぬ、野球界の未来のヒーローに、多くの大人が期待を寄せます。

 それ以外にも、トリビア的なネタもあります。

星飛雄馬が通う青雲高校は、私立のお坊ちゃま学校で入学金は当時で20万円。

・一徹は、仕事の合間に色々な高校の野球部の練習を見て、柔道部の伴宙太がキャッチャーになることを見越して青雲高校を選んだ。

星飛雄馬は、学校の成績もよく、受験勉強の成果で学年4番の成績となった。

・飛雄馬の彼女、オーロラ三人娘の橘ルミが歌う歌は「クールな恋」。歌詞の出だしは「I love you.I love you,forever more.」

・この「クールな恋」は、元々「ザ・ゴールデン・カップス」の曲で、このグループにはミッキー吉野ゴダイゴ)や柳ジョージがメンバーにいた。

花形満の声は、ルパン三世の五ェ門で有名な井上真樹夫。オズマの声は、ルパン三世の次元で有名な小林清志。橘ルミの声は、ルパン三世峰不二子で有名な増山江威子ルパン三世つながり。

星飛雄馬の声優古谷徹は、現在「カーグラフィックTV」のナレーション役。 

・挿入歌「友情の虹」は、ウルトラセブン挿入歌「ULTRA SEVEN」で有名な「ジ・エコーズ」が歌っている。

・「ジ・エコーズ」のメンバーの一人は「また逢う日まで」で有名な尾崎紀世彦

 巨人の星」というと高校時代、巨人入団後の大リーグボールなどが思い浮かびますが、意外と始まりの1話~10話が、ストーリーの原点が分かり面白い。また、個人的には巨人入団後に奥手の星飛雄馬が、自由奔放なアイドル橘ルミに翻弄されるストーリーも好きです。

因みに調べてみると、1961年~1962年(「巨人の星」は1966年~)に週刊少年マガジンに連載されたちばてつや「ちかいの魔球」との類似性の指摘もあるようです。

巨人の星」。平成の時代には、時代錯誤なアニメと思われるでしょう。でも、やっぱり好きです。幼い頃、我が家には、「巨人の星」のシングルレコードがありました。C/Wは「友情の虹」でした。なので、「巨人の星」好きは、昔からなのです。ちょっと考えただけで、これだけ書くことがあり、巨人の星だけでブログが作れそうです。

やっぱり、人間の人生の葛藤を描いた漫画の星だと思います。親子、家族、友情、恋愛、嫉妬、憎悪、希望、絶望、欲望、屈辱、尊厳、勝負、貧富、差別、戦争、生死などのあらゆる要素が織り込まれています。今だから言えます。

 「人生の大事なことは『巨人の星』から学んだ」

 

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