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「それでも家を買いました」再放送で気付いた名演技

BSで再放送している「それでも家を買いました」を録画して観ています。1991年(平成3年)に放送された三上博史田中美佐子主演のドラマです。2人が新婚の夫婦役でバブル期の不動産の価格高騰が進む中、新居を求めてマンションの展示会場などを2人で見に行くのですが、倍率や価格が高く、なかなか新居が決まりません。焦りから夫婦喧嘩も多くなりますが、遂に新居を見いだすストーリーです。
社宅住まいの窮屈さを感じながらも、社宅の他の夫婦との交流や各々の家族の事情を交え、ちょっと不倫みたいな危うさもあり話は展開していきます。住宅は、神奈川県の地名が出てくるリアルな設定で、初めは新横浜など夢を見ますが、現実は厳しく徐々に小田急線沿線と横浜から離れていき、価格も三千万円から三千万円後半へと厳しくなって行きます。また、社宅の夫婦と賃貸か持ち家かと議論になったりと夫婦の葛藤は続きます。
一度、先着順の悪くないマンション物件を見に行き、まだ余裕で空きがあり、夫婦で買うことを決めようかと迷うのですが、いざとなると決められず、翌日、他の物件を見た後に、また行ってみるともう成約が埋まっていたなんてエピソードも出てきます。これで、また互いの優柔不断さを非難して喧嘩となります。三上博史が「なんか、抽選慣れして、いざ空きがあっても決められないんだよな。」なんて台詞もリアルなのです。
見所は、三上博史田中美佐子の夫婦ぶり。三上博史は、横浜の大手工作機械(電機)系の技術職という役どころですが、他の三上博史ドラマと異なりとても爽やかでちょっと気の弱い男というキャラクターです。田中美佐子は、新婚の専業主婦の役で、甘えん坊で我がままだけど、健気で頑張りやさんで「雄ちゃん」(三上博史)のことを愛してる妻を演じきっています。家のことで「雄ちゃん」と喧嘩するシーンが多いのですが、その拗ねっぷりが可愛いのです。ごく普通の夫婦役を自然に演じています。
このドラマは、1991年の放送は観ていませんでしたが、翌年、再放送された時は、録画して欠かさず観ていました。その頃は地方の大学を出て、バブル景気に乗って東京の会社に就職し、小田急線沿いの独身寮に住んでいたので、神奈川県の地名が出てくるこのドラマはリアル感がありました。また、当時は彼女もいなく少々淋しい生活を送っていたので、このドラマの「雄ちゃん」と「浩子」(田中美佐子のこと)のリアルっぽい新婚夫婦を観ていると、結婚したらこんな感じで家探しできたら楽しいのかなあなんて思わせるものがあり、放送を楽しみにしていました。
今観ても、時代の古さはありますが、この二人の雰囲気は、当時そのままに良く感じられます。脇役陣も田中義剛とか小西博之とか少々煩い感じですが、キャラクターがはっきりしていて分かりやすいてす。宅間伸が、当時、鉄板の上司役でなかなか良いです。大げさにいうと家探しを通じて、夫婦のあり方、家族のあり方、仕事や生活、人生のあり方が浮き彫りになるような展開です。
あの頃のドラマでは、吉田栄作の「クリスマス・イブ」、織田裕二の「東京ラブストーリー」、真田広之の「高校教師」など、主人公がカッコイいと思い熱心に観ていました。良いドラマが多かった気がします。
「それでも家を買いました」を観て家探しは大変だなあと思いましたが、その後、自分も家探しを経験しました。自身の家は、地方都市に転職して結婚してから色々調べて、電車で20分(快速12分)プラス徒歩15分の所に注文住宅で土地・建物2500万円で一軒家を建てました。景気の悪い時期が続いていたので、建物も安くローンの負担も低かったです。土地を決めるときは、勇気が必要で「雄ちゃん」の台詞が理解できました。
最近は不動産価格が上昇しているようで、ミニバブルか?なんて言われているようですが、この時期に「それでも家を買いました」を再放送するのは、いいセンスしていると思いました。